アマチュア時代から本田毅のメインギターとしてPERSONZのレコーディングと数えきれない程のライブを支えたブラックのSCHECTERストラトキャスター。
このギターとの出会いはPERSONZの結成をさらに遡る1982〜83年頃になる。当時はフェンダー・スタイルのギターのパーツや木材をチューンナップすることで本家本元であるフェンダー以上のパフォーマンスを追求したコンポーネント・ギターが市場に出回りつつある時期であった。当時の国産ギターとしてはかなり高額であったこのギターを新宿の楽器店で分割で購入したエピソードは、ファンには有名なエピソードだ。もともとゴールドだったパーツは入手の際にブラックに全て交換され、以後トレードマークとなるオールブラックのルックスが誕生した。
エボニー指板、メイプルネック、アルダーボディー。ストリングポストの高さを低音側から高音弦側に向けて段階的に低くすることで各弦毎のテンションバランスを改善し、テンションピンを廃止する事に成功したペグ。
ピックアップはラージポールピースが特徴でフェンダースタイルのシングルコイルPUよりも中低音が太くパワフルなSCHECTERモンスタートーンの最初期型。
コントロールはボリューム、ハイカット・トーン(後にダミー化)、ローカット・トーン。テレキャスター・ノブの5WAYスイッチ。ブラス(真鍮)を削り出したSCHECTERのシンクロナイズド・トレモロetc....これ以降に製作される本田毅モデルのルーツと言えるスペックである。
通常のシングルコイルPUよりもパワフルで中低音が豊かなモンスタートーン。ジャズコーラスのラインナップの中でも最も出力が大きく低音が豊かなJC-160。この2つの組み合わせにより、シングルコイルでありながらも豊かな低音とサスティーンに優れたドライブサウンドを得ていた。
しかしその豊かな低音がクリーンサウンドに切り替えた際にはやや重たすぎる。そこでクリーンサウンドにおいてはセンター+リアのハーフトーンを使用し、余分な低音成分をローカット・トーンによりカットすることで、あの美しいクリーントーンを生み出していた。
ハーフトーンとジャズコーラスの組み合わせから生まれる美しいクリーンサウンド、そしてエッジーかつ伸びやかなドライブサウンド、この二つの対比は多くのフォロワーを生み、後のバンドシーンにも多大なる影響を与えた。
「NO MORE TEARS」ツアーの頃にはピックガードにツアーグッズのゴールドの「P」の文字のステッカーが貼られ、識別を容易にしていた。(参考画像参照)
インディーズ、そしてメジャーデビューを経て「DREAMERS ONLY」のレコーディング前までメインギターとして使用されていたが、それ以後は複数本製作されたほぼ同仕様のギターを主に使用している。
メインギターがP-PROJECTに移行してからは活躍の場があまりなかったようだが、2002年に製作されたPERSONZへの復帰作「HOME COMING」のレコーディングで久々にJCとの組み合わせで使用されている。
※このページの画像は参考画像を除き、現在の姿を写したものである。
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